ああ川の柳のように

川柳を中心に、短歌、狂歌、詩、都々逸など。 自作も公開。

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朝日歌壇:一年

ふるさとで職をみつけたラッキーな同級生は津波で死ねり 船山登

2012年3月26日、朝日新聞「朝日歌壇」に掲載(馬場あき子・高野公彦選)。

添削されています。元の形は「ふるさとで職をみつけたラッキーな同級生が津波で死んだ」。

笹短歌ドットコム:枕詞を使った歌

ひさかたのピカチュウ放つ電撃に倒れた弟を運び出す 船山登

2012年3月9日「笹短歌ドットコム」 テーマ 【枕詞を使った歌】(笹公人 選)で「秀逸」。

ネタはいわゆる「ポケモンショック」です。「ひさかたの」は「光」などにかかる枕詞。

原発川柳 (5)

twitterに書いた原発川柳のまとめ第5弾です。

「放」の字のやたら少ない讀賣紙

ガイガーを当てれば叫ぶ雪だるま

撤去せよ テントとともに原発を

福島のゴミはカラスもついばまず

ゆでこぼししてセシウムを減らすお茶

さあ食べて応援しよう原発を

基準値の半分以下と胸を張り

白河の関で止まらぬ放射能

県境を知らぬ死の灰こぼれ合い

「安全」と言うまじないで毒を消し

「そこに住む人の気持ち」を盾に取り

復興に水を差すなと怒られる
 船山登

原発川柳 (4)

twitterに書いた原発川柳のまとめ第四弾です。

セシウムを毒と呼んだら怒られた

毒米といって悪けりゃ汚染米

ベクレルは水で薄めてくださいね(^^)

逃がさんぞ 減ったら困る交付税

「安全」なセシウム米を食わされる

このへんは毒が無いぞと同じ井戸

ふるさとの「絆」が人を逃がさない

平成の火山先生大噴火

先生も給食たべて被爆中

汚染土を農作物で除染する

干し草のベッドでハイジ被爆する

セシウムは基準以下ですプルト米

セシウムとヨウ素計って他は見ず

検査しています数値は内緒です

放射能ときどき漏らす湯沸かし器

子や孫に食わせられない物を売り

讀賣にくるんだ野菜届けられ

外国のストロンチウムはよく飛び

死んだって因果関係ありません

放射能掃除機を出せ東芝は

お湯わかす方法ならば知ってます

いくたびもキャベツの産地尋ねけり
 船山登

原発川柳 (3)

twitterに書いた原発川柳のまとめ第三弾です。

セシウムは自由に吸える未成年

原発を狙えばすべて核兵器

デモ5万 満場一致「廃炉せよ」

除染してやるからここを離れるな

オツム無しオムツも無くてたれ流し

竹馬でセシウム避ける通学路

東電に請求したいカツラ代

その除染費用くれたら逃げるのに

食う人は美味いから食う毒キノコ
 船山登

原発川柳 (2)

twitterに書いた原発川柳です。

下々しもじもの給食にせよ毒米は

給食を拒否する奴は非国民

天下り先をなくしてなるものか

原発はいらんと座り込むおかん

さあ食べて応援しよう東電を

本当にそろそろ渋いお茶こわい

これからも黙っていろと交付金

飲めと言われて素直に園田

アイコ抱えて逃げろマサコも

怖がる人が悪者にされ
 船山登

原発川柳4句

これまでtwitterに書いた原発川柳を貼っておきます。

停電を放射能より心配し

賠償のできる範囲は避難させ

「大丈夫」孫を逃がした市長言い

原発は自爆専用核兵器
 船山登

泳ぐたい焼き

第54回短歌研究新人賞に応募した作品全30首を公開します。

泳ぐたい焼き  船山登

釜石の大正軒のたい焼きもどっか泳いで行ってしまった

塩釜と石巻なら宮城県でも釜石は岩手県です

ぼこぼこの東北道を急ぎつつ味わっている地震のつづき

池袋から盛岡へ行くバスは埼玉栃木宮城で休む

どれが今度の地震のかわからないもともと地割れひび割れだらけ

軽トラのじいさまに追い越されつつそろそろ走る瓦礫の合間

真っ黒の大男来て手伝いぬシャッター街の解体作業

沖縄の次に多いと言われてたサラ金も全滅した模様

これもまた津波と人は思うらん夜逃げの家のただに荒れたる

持て余すのみの空き家の流失を幸いとする者もあるべし

職安は無事でもとより職のなき者もおおかた生き残りおり

ボランティアとはいえ昼は飯が出て無職の者ら日々精を出す

首くくる以外の使い途もある支援物資の中のネクタイ

ブラジャーはありませんかと尋ねられおろおろ探しまわる俺たち

幅なくて丈ばりなげえ ばあさまの気に入る配布衣類少なし

避難所で足りない物はなんですか酒たばこエロ本コンドーム

廃業の風呂屋の釜に火が入る廃校に寝る人々のため

年ごとに帰省すれども会わざりし旧友たちに遇う震災後

裏ビデオくれた君だねあの時はありがとうと四半世紀後に

自転車が倒れて起こす人がいてまた風が来て倒し行くなり

たくさんの親切の手に助けられどんどん傷が増える自転車

助け合うことを尊ぶ世となりて「自己責任」は影を潜めつ

いきいきと店員たちは青空の下で働く停電なれば

内陸の親類宅へ避難せし者も余震に遭いて戻り来

グランドになった長屋の跡にまた建てられてゆく仮設の平屋

行幸に案内役が鶏小屋と言いし長屋に父も育ちき

がんばろう復興のためがんばって過労で死んだ昭和のはなし

国有化されて米軍基地になるだとかオバマもオー、ノーだとか

復興のためにこのまま直さねで世界遺産さ登録すっぺ

尻尾までずっぱり餡こ入ってたたい焼きだから沈んだかもな


以上。

短歌研究:軽トラと青空

軽トラのじいさまに追い越されつつそろそろ走る瓦礫の合間

いきいきと店員たちは青空の下で働く停電なれば 船山登

『短歌研究』 2011年9月号、p.144に掲載。

短歌研究新人賞、3度目の応募ですが、一昨年昨年と同じく「予選通過」止まりで2首掲載でした。3月末から4月半ばまで実家のある釜石に帰っていた時にできた短歌です。幸い両親と家は無事でした。ご心配いただいた方々、ありがとうございました。

笹短歌ドットコム:鏡

紅葉の門に鏡花が入りし秋弟子は十七師は二十三 船山登

2011年2月17日 「笹短歌ドットコム」 題【鏡】(笹公人 選)の「総評」に採用。

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